2006年7月23日日曜日

世界報道写真展 - 今ここで生まれた過去の歴史 [memo]


とある Blog で紹介されていた世界報道写真展 2006 に行ってきました.過去50年の報道写真を集めたイベントも開催されていたので,こちらも一緒に.

Orvalで行こう!: 世界の真実 世界報道写真展2006

ほかにも自然やスポーツの美しさを表現した写真も多数あるけれど、やはり悲惨なニュース写真の方が印象的である。

たしかにそれは同感だ.同時にもう1つ感じたことがある.
悲惨な歴史なんていうのは,それこそニュースにすらならないものも含めて,世界中にいくらでもある.ドキュメンタリー映画にしろ,今回の写真展にしろ,なぜそれをわざわざ伝えなければいけない? お金を払ってまで,なぜそれをわざわざ知りに行かなければいけない?

そもそも歴史なんていうものは,知らなければ存在しないことと同じなのだ.地球の時間の流れの中では事実として過去に起きた事象かもしれないが,それを知らなかった私という人間の中には存在しなかったものであり,それを知った時点で始めて誕生する「既に終わった過去」なのである.

だから歴史は,いつでも冷静で時として残酷だけど,同時に実はとても主観的でパーソナルなものだと思う.

これは別に悲惨なニュースに限った話ではないでしょう?
わが子が兵士に殴られるのを観ながら何も出来ずに泣き叫ぶトーゴの母親も,42年前の The Dean Martin Show で縦横無尽にブルースハープを吹く Brian Jones も,それを知った瞬間に私やあなたの中に始めて生まれるのである.

とうてい変えることなんてできない過去の事実が自分の中に誕生する瞬間と,その時に単に知識としてではなくそこから自分が感じる何かを探しに,きっと歴史に出会いに行くんだろうと.そんな気がします.


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